溝切り専用のニッチなかんな「機械作里かんな」を紹介します。
はじめに
普通のかんなは木材の表面を薄く削って綺麗にする物ですが、特殊かんなと言って特定用途に使う物があります。電動工具が無い時代は用途によって専用のかんなを使い分けていたのですね。そんな特殊かんなの中で溝切り用のかんなが「作里鉋(さくりかんな)」という物です。(しゃくりかんなとも言います)
私が使っている作里かんなは「機械作里(きかいさくり)かんな」という何やらカッコイイ感じのかんなです。溝切り加工をやってみたいけど電動工具が無くても出来るのかしら?と思って探した工具がコレなんですよね。
ということで、
今回は機械作里かんな を紹介します!
機械作里かんな 外観
機械作里かんなのサイズ
シルバニアと比較するとこんな感じ。普通のかんなより幅が狭い分コンパクトです。
機械作里かんなの刃先
溝切り用なので刃の幅が狭いです。左側の板はまっすぐ溝を切るためのガイドで蝶ネジとナットで固定されています。
刃先の調整
上のくの字に出っ張った部分を金槌で叩いて刃の出方を調整します。
刃の出は0.1〜0.2mm程度出るように調整します。
機械作里かんな の使い方
かんなの掛け方
以下のステップでかんなを掛けます。
- 木材をクランプでしっかり固定する。
- 右側の蝶ネジが付いているガイド部の板を木材の端に当てる。
- ガイドに沿ってかんなを掛けると赤線の所で溝が切れる。
かんなは木目に沿って純目で掛けます。逆目では綺麗に削ることは困難なのでDIYの設計段階で木目の向きを意識しておく必要があります。
溝切りラインの調整
溝切りのラインは蝶ネジとナットで調整出来ます。「機械」と名前が付いているのはこのためのようです。機械ってほどじゃ無いと思いますけどカッコイイのでヨシ!
端の溝切り
こんな感じで溝が切れます。
溝を広げる時はガイドの幅を調整してもう一度かんなを掛けます。
こんな感じで溝の幅が広がります。
中央の溝切り
木材の中央に溝切りしたい場合はちょっと準備が必要です。まずはシャーペンと定規を使って溝切り位置を墨付けします。
墨付けしたラインに沿って木材を並べてクランプでしっかり固定します。
この板がまっすぐかんなを掛けるためのガイドになるので、かんなの刃の幅に合わせて板の間隔を調整します。
機械作里かんなのガイド部の板を蝶ネジごと外します。(下方向に長くて板を並べて作ったガイドに干渉するため)
その後、板を並べたガイドに沿ってかんなを掛けます。
墨付けしたラインに沿ってまっすぐ中央の溝切りが出来ました。
木材のガイドをズラしてかんなを掛けることで溝の幅が広がります。
溝が広がりました。
ちなみにこの中央の溝切りは以前DIYした隙間収納棚の側板の加工です。
まとめ
はい。そんなわけで今回は機械作里かんな を紹介しました。溝切り以外に使わないので出番は少ないですが、あると便利な工具です。それに木製工具って雰囲気があって良いのです。効率性は低いのですけれど。
今時、機械作里かんなで溝加工してる人は少数派だと思いますが、騒音が無いのとトリマー より安いのがメリットですかね。あと削りカスもくるくるしているので後始末は楽です。
ちなみに電動工具で溝切り加工する場合はトリマーという工具を使います。効率性を重視するならトリマーの方が良いでしょうね。トリマーなら溝切り加工以外にトリミング(装飾加工)が可能です。ちょっと欲しい。。
ちっちゃくても意外と使えるホビーカンナについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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