簡単オイルフィニッシュでナチュラルな仕上がりになる「くるみ油」の塗り方と木材保護効果について紹介します。
はじめに
木材を塗装する方法は色々ありますが、木目を活かしてナチュラルに仕上げたい場合はオイルフィニッシュを使います。
オイルフィニッシュとは木材に油を染み込ませて表面保護する仕上げ方法です。
塗膜を作らないので表面保護としては弱いですが、木目を活かしたナチュラルな仕上がりが魅力です。
そんなオイルフィニッシュの中でも天然の植物油をそのまま木材に塗る昔ながらの塗装方法があります。
ということで、
![](https://siro-azarasi.com/wp-content/uploads/2021/07/a37ea61d024727bc1753e790627693fb-1.jpg)
今回は『くるみ油』の塗り方と木材保護効果について紹介します!
木材の表面保護に使える油
木材の保護に使える油は乾性油です。
油ならなんでも使えるわけではありません。
油の性質 |
自然油の例 |
乾性油 | くるみ油、エゴマ油、亜麻仁油、桐油、向日葵油など |
半乾性油 | コーン油、胡麻油、大豆油など |
不乾性油 | オリーブ油、椿油、菜種油、落花生油など |
ちなみにオイルフィニッシュで有名なワトコオイル は亜麻仁油をベースにしています。
ワトコオイルはこちらの記事で詳しく紹介しています。
胡桃油(くるみ油)
くるみ油はくるみの実から取れる油です。
くるみの木はウォールナットと呼ばれ高級木材として有名ですね。
私は食用のくるみ油を使っています。
塗料として販売されている物もありますが、溶剤が入っている訳ではないのでどちらでも良いかと思います。
塗装の準備
塗装の場所
くるみ油は天然の油ですので家の中で塗装しても家族から苦情は出ないかと思います。
食用くるみ油の商品説明には「温めると香ばしくグリル・ロースト料理を引き立てます」と書いてあります。
美味しそうです。
![くるみ油](https://siro-azarasi.com/wp-content/uploads/2020/05/c5cc51dda244cc5a3d65f84d25e4cf4a.jpg)
塗装の準備
キッチンスポンジを適当な大きさに切っておき、手が汚れないようにビニール手袋を装着します。
刷毛でも良いのですが、後処理が簡単なキッチンスポンジを使っています。
普通の塗料の場合は周りに塗料が付かないようにレジャーシートを敷いておきますが、くるみ油の場合は多少その辺に付いても拭けば大丈夫です。お手軽ですね。
![くるみ油 塗装間の準備](https://siro-azarasi.com/wp-content/uploads/2020/05/2e2a96abde107310015e4c27e59d59c6.jpg)
くるみ油 の塗り方
塗装
キッチンスポンジにくるみ油を染み込ませ木材に塗り込んでいきます。
塗りムラは後で拭き取るので気にする必要はありません。
オイルフィニッシュ はこの辺が気楽ですね。
伸びも良いので少量で広い範囲を塗ることが出来ます。
一度塗りでこんな感じで色が付きます。
無垢の木材が経年変化で飴色に変わるような自然な風合いです。
![くるみ油 塗装前後の比較](https://siro-azarasi.com/wp-content/uploads/2020/05/221bf492e0beaef3caefa96c6259fd38.jpg)
拭き取り
塗装後、しばらく置いてからキッチンペーパーなどで浸透しきれなかったオイルを拭き取ります。
乾燥時間に影響するので表面のオイルはしっかり拭き取ります。
乾燥
乾燥には2〜3日必要です。
完全に乾燥するには2週間程度かかる感じでしょうか。
通常の塗料と比較すると時間が掛かりますね。
くるみ油はサラッとしているので用途によってはそれ程気にならないかもしれません。
重ね塗り
いかがでしょうか。
写真だと全然違いが分かりませんね。。
肉眼だと若干濃くなっている気はします。
逆に言うと一度でしっかり色が付くので、一度か二度塗りでOKだと思います。
![くるみ油 重ね塗り比較](https://siro-azarasi.com/wp-content/uploads/2020/05/8964cb7f74bc82d51d43ddbc6999d62e.jpg)
メンテナンス
艶が無くなってきたかなぁと思ったら、塗り直しします。
少量で広く簡単に塗れるので塗り直しのハードルは低いです。
定期的な塗り直しをすれば経年変化と相まってより深みが出てくると思います。
後処理
塗装する時に使ったキッチンスポンジと拭き取りに使ったキッチンペーパーは可燃性があるので、捨てる際は少し水を含ませてビニール袋に入れて捨てます。
くるみ油の木材保護効果の検証
くるみ油の撥水効果
ニスなど塗膜を作る塗料ほどではありませんが、ある程度の撥水効果が期待出来ます。
撥水効果を検証するため、水滴を落として放置してみます。
左がくるみ油を塗った物(一度塗り。三日経過後)、右が塗装なしの木材です。
5分程度放置すると塗装なしの方は水滴が木材に染み込んでいますが、くるみ油を塗った方は水滴が残っています。
![くるみ油の撥水効果検証](https://siro-azarasi.com/wp-content/uploads/2020/05/0c476fe8e6aa48ef5d35b1f0f0634a09.jpg)
タイムラプス動画で見るとよく分かります。
くるみ油の防汚効果
続いて防汚効果を検証するため、ケチャップを落とした後にティッシュで擦り付けながら拭き取ってみます。
塗装していない方は拭き取った後ケチャップが少し木目に入り込んでシミになっていますが、くるみ油を塗った方は綺麗です。
![くるみ油の防汚効果の検証](https://siro-azarasi.com/wp-content/uploads/2020/05/1c03db832f46fb66d3be8ca55eb0e1ce.jpg)
以上の検証結果から、くるみ油の木材保護効果がある程度実証されたかと思います。
ちなみに今回の塗装例は以前DIYした折り畳み式ノートパソコンスタンドです。
他にも大工さんの道具箱をDIYした際もくるみ油で仕上げています。
ノコギリ用の工具箱にもくるみ油を使っています。
こちらの記事のカトラリー 収納の仕切りのDIYもくるみ油を使っています。
食用油なのでカトラリー に使っても問題ありません。
くるみ油 の塗装で使った物
くるみ油の塗装で使った物をまとめると以下のようになります。
|
内容 |
1 | 塗装したいDIY作品 (サンドペーパーで表面処理しておく) |
2 | くるみ油 |
3 | キッチンスポンジ |
4 | キッチンペーパー |
5 | ビニール手袋(100均の使い捨て) |
6 | ビニール袋(ゴミ捨て用) |
まとめ
はい。そんなわけで今回はくるみ油の塗り方と木材の保護効果を紹介しました。
くるみ油は塗料として加工されていないので乾燥が遅いなど使いづらい面はありますが、無垢材の風合いを活かすナチュラルな仕上げをしたい場合はオススメの塗料です。
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